オーディオ機能と設定
オーディオ入力
RØDECaster Video Sでは、さまざまなオーディオ入力の管理、処理、ルーティング、調整が可能です。以下に各入力の概要を説明します。
Combo 1 & 2:RØDECaster Video Sの背面にあるコンボ入力です。マイクロフォンなどのXLR入力、楽器やラインレベル信号などの1/4インチTRS入力のいずれにも対応します。
Wireless 1 & 2:RØDECaster Video Sには2チャンネルのワイヤレスレシーバーが搭載されており、Wireless PRO、Interview PRO、Wireless ME 、Wireless GOなど、最大2台のRØDE Series IVワイヤレストランスミッターを接続できます。
Video Clips:メディアライブラリに読み込まれ、制作で使用される動画ファイルの音声です。
Sounds:メディアライブラリに読み込まれ、制作で使用されるオーディオファイルの音声です。
HDMI 1–3*:RØDECaster Video Sの3つのHDMI入力に接続された機器(カメラなど)から送られる音声は、これら3つの入力に送られます。
Bluetooth:RØDECaster Video SとペアリングされたスマートフォンなどのBluetooth機器からの音声です。
USB 1:RØDECaster Video SのUSB 1入力に接続されたコンピューターから送られる音声です。マルチトラック録音を有効にしているかどうかに応じて、コンピューターまたはソフトウェアのオーディオ出力設定で「RØDECaster Video Stereo」または「RØDECaster Video Multitrack」を選択してください。
USB 1 Chat:RØDECaster VideoのUSB Main入力に接続されたコンピューターから送られる、2つ目のオーディオチャンネルです。使用例の一つとして「Chat」と表示されていますが、幅広い用途に使用できます。コンピューターまたはソフトウェアのオーディオ出力設定で「RØDECaster Video Chat」を選択してください。
USB 2:RØDECaster VideoのUSB 2入力に接続されたコンピューター、電話、その他の機器から送られる音声です。MFi認証を取得したセカンダリーオーディオインターフェースで、iOS、Android、Windows 、Macデバイスに対応しており、スマートフォンの接続に最適です。
USB 4 :USB 4に接続されたRØDECaster Pro II、RØDECaster Duo、またはRØDE USB マイクロフォンからの音声です。
注
3つのHDMI入力は、デュアルモノチャンネルに分割できます。つまり、1つのステレオトラックとしてではなく、左右のチャンネルを個別に録音できます。これは、Wireless PROのようなデュアルチャンネルマイクロフォンシステムをカメラに接続している場合に最適です。各チャンネルを個別に録音、ミックス、処理できます。
RØDECaster Video Sのオーディオを調整する
ホーム画面で右下のアイコンをタップするか、エンコーダーをクリックしてオーディオミキサーメニューにアクセスします。ここでは、エンコーダーを使って各オーディオ入力を順番に切り替え、エンコーダーをクリックして音量レベルを調整し、もう一度クリックして入力の切り替えを続けられます。
各入力ページで右上のアイコンをタップすると、その入力のVoxLab™オーディオプロセッシング(Depth、Sparkle、Punch)を調整できます。エンコーダーをクリックして3つのパラメーターを順番に切り替え、エンコーダーを回してそれぞれの強度を調整します。エンコーダーを長押しすると、このプロセッシングを有効または無効にできます。
各オーディオ入力ページの設定ギアアイコンには、入力の種類に応じて異なる設定が表示されます。このメニューでは、コンデンサーマイクのプリセットを選択してファンタム電源を有効にしたり、RØDE Series IVワイヤレストランスミッターをペアリングしたり、入力ゲインを調整したり、ステレオペアをリンクまたはリンク解除したりできます。
オーディオ入力リストの最後までスクロールすると、「Add or Remove Channels」オプションが表示されます。リストから最大9つのオーディオソースを選択できます。エンコーダーをクリックして入力を選択または選択解除し、選択が完了したら戻る矢印をクリックしてください。
RØDECaster アプリ オーディオミキサー
RØDECaster アプリ内のオーディオミキサーでは、直感的な1つのインターフェースで、すべてのオーディオソースの設定、コントロール、ルーティングを行えます。ここでは、各オーディオ入力の処理とレベルを調整できるほか、ルーティング先も選択できます。これにより、ライブストリーム、録音、自分でモニターするヘッドホンなど、異なるオーディオ出力に送る完全にカスタマイズされたサブミックスを作成できます。
オーディオ入力の追加と調整
Audio Mixerウィンドウの「+」ボタンをクリックし、ドロップダウンリストから目的のオーディオ入力を選択して、ミキサーに追加します。追加した入力は、画面上のフェーダーで音量レベルを調整できます。また、フェーダー下の2つのボタンでミュートまたはリッスンを有効にし、フェーダー上部のアイコンをクリックして処理およびその他の入力設定にアクセスできます。
チャンネルの左上隅をクリックしてドラッグすると、オーディオ入力の順序を入れ替えられます。また、チャンネル右上のXをクリックすると、入力を削除できます。
ミュート
このボタンを押すと、Audio Output Menuで現在選択している出力において、関連付けられたチャンネルがミュートされます。チャンネルがミュートされると、ボタンが赤く点灯します。
リッスン
リッスン(または「ソロ」)ボタンを使用すると、他のオーディオミックスを含めず、Headphones 1でチャンネルの音声だけをモニターできます。
オーディオ出力の調整とミキシング
Audio Mixerの左上にあるAudio Output Menuでは、RØDECaster Video Sのデジタルまたはアナログオーディオ出力を選択し、どのオーディオ入力をその出力に送るかをカスタマイズできます。ドロップダウンから出力を選択すると、その出力のミキサー画面が表示されます。いずれかの出力を選択すると、Live Mix、Custom、Mix Minusなどのオプションを含むトグルが表示されます。
Live Mix
「Live Mix」を選択すると、メインの「Live Mix」出力(マスターミックス)のすべての設定がそのまま反映されます。
Custom
「Custom」を選択すると、選択した出力用のカスタムミックスを作成できます。マスターの「Live Mix」とは別に、各入力の音量レベルを個別に調整できます。たとえば、ライブストリームとはまったく異なるミックスをヘッドホンに送ることが可能です。カスタムミックスとメインの「Live Mix」出力の連動について詳しくは、下記の「Linking」セクションをご覧ください。
Mix Minus
「Mix-Minus」オプションは、入力としても使用できるデジタルオーディオ出力(USB やBluetoothなど)に表示されます。これはメインの「Live Mix」出力と同じ設定を使用しますが、フィードバックやエコーを防ぐため、選択したチャンネルの入力(たとえば、USB 1の出力チャンネルではUSB 1の入力)を除外します。
カスタムミックスのリンク
「Custom」出力ミックスを設定する際、各ボリュームフェーダーはデフォルトでマスター「Live Mix」に「Link」されています。これは、メインミックスよりもヘッドホンで特定の音を小さくしたい一方で、1本のフェーダーで両方の音量レベルを調整したい場合に便利です。この設定は、各フェーダーの下にある青い「Link」ボタンをクリックして切り替えられます。
リンクされている場合、カスタムミックス内の個別レベルを調整すると、メインの「Live Mix」出力のフェーダーを基準としたオフセットレベルが作成されます。つまり、メインの「Live Mix」出力でフェーダーを調整すると、オフセットを維持したままカスタムミックスのレベルも増減します。リンクを解除すると、メインミックスで対応するチャンネルを調整しても、サブミックスのフェーダーレベルは変化しません。
入力設定
Audio Mixerで入力のアイコンをクリックすると、その入力に対して調整できるさまざまな設定を含むポップアップが開きます。設定項目は次のとおりです。
- 入力ゲインレベル:このコントロールでは、オーディオソースの入力ゲインを調整できます。音量レベルが同程度でないマイク、デバイス、楽器、その他のソースのバランス調整に使用でき、ボリュームフェーダーで各ソースの相対的なレベルをより正確に把握できます。
- Combo 1および2入力用マイクプリセット:この設定では、使用するマイクまたは入力の種類に基づいてプリセットを選択できます。選択したプリセットにより、入力に最適な複数の設定が自動的に調整されます。また、ステレオマイクセットアップ、楽器、ミキサー、その他のラインレベル機器で使用するために、Combo入力1と2をステレオリンクすることもできます(下記参照)。
- Combo 1および2入力用ファンタム電源(P48):マイクにファンタム電源が必要な場合(ほとんどのコンデンサーマイクが該当します)、このトグルで有効または無効にできます。
- Wireless 1および2入力用ペアリングボタン:このボタンを使用すると、RØDE Series IVワイヤレストランスミッターをRØDECaster Video SのWireless 1および2入力とペアリングできます。Wireless PRO、Interview PRO などにも対応しています。トランスミッターをペアリングモードにしてから、このボタンを押すだけでペアリングできます。
- ステレオリンク/リンク解除ボタン:HDMI入力やCombo入力など、一部の入力では、ステレオ入力またはデュアルモノ入力として設定できます。HDMI入力では、カメラとデュアルチャンネルワイヤレスシステム(Wireless PROなど)を使用する場合に便利です。各チャンネルを個別に録音、ミックス、処理できます。
- プロセッシング:RØDECaster Video Sのオーディオ処理機能と設定については、以下をご覧ください。
VoxLab™オーディオプロセッシング
VoxLab™はRØDECaster Video Sのデフォルトのオーディオプロセッシングエディターです。Input Settingsウィンドウで「Processing」をクリックしてエフェクトを有効にし、「Depth」、「Sparkle」、「Punch」の3つのノブを好みに合わせて調整するだけです。このシンプルなインターフェースは非常に直感的で、各コントロールが複数のプロセッサーの複数のパラメーターを調整するため、プロフェッショナルな音質を簡単に実現できます。
Depth:信号の低域をさりげなく強調し、より豊かでタイトな低音の明瞭度を加えます。
Sparkle:信号に明るさとディテールを加えます。声にさらなる存在感と明瞭さを与えるのに最適です。
Punch:信号にさりげかなコンプレッションを加え、声をより聞き取りやすく自然にします。また、ノイズゲートも調整して、バックグラウンドノイズの低減に役立ちます。
高度なオーディオ処理
処理画面の「Advanced」ボタンをクリックすると、さまざまなオーディオプロセッサーを細かくコントロールできるほか、各プロセッサーを個別に有効または無効にできます。
ハイパスフィルター
録音時のバックグラウンドノイズをさらに低減したり、こもった声やボーカルトラックにプレゼンスを加えたりするのに使用します。特定のカットオフ周波数より下の低域周波数をカットすることで実現します。
ディエッサー
声の歯擦音を抑えるのに使用します。歯擦音とは、人の発話で自然に生じる「シー」という音で、主に「s」などの子音によって発生します(そのため「ディエッサー」と呼ばれます)。これは基本的に、特定の周波数をターゲットにして信号内での存在感を抑えるコンプレッサーです。
ノイズゲート
エアコンの音、別の部屋から聞こえる話し声、屋外の交通音など、録音時のバックグラウンドノイズを低減するのに使用します。音響処理が施されていない空間で録音する場合に非常に便利です。
コンプレッサー
声(またはその他のオーディオソース)を滑らかでバランスの取れたサウンドにするために使用します。信号の最も大きなピークを抑え(「コンプレッション」し)、同時に小さな部分を持ち上げることで、音量をより均一にします。
イコライザー(EQ)
声やオーディオソースの音色を微調整するのに使用します。これは3バンドのパラメトリックEQで、選択した任意の周波数帯域で低域・中域・高域の周波数をブーストまたはカットできます。
パンニング
ステレオフィールド内でオーディオをパンニングするのに使用します(チャンネルがステレオリンクされている場合、自動的に左と右にハードパンされます)。
Big Bottom™
こもった音にすることなく、声やオーディオにさらなる深みを加えるのに使用します。信号の低域周波数に微細な倍音を加えることで、より大きな「パンチ」を与えます。
Aural Exciter™
声やオーディオソースのディテールと明瞭度を高めるのに使用します。信号の高域周波数に微細な倍音を加えることで、より豊かな「きらめき」を与えます。
Master Compellor™
RØDECaster Video Sには、定評のあるAPHEX Compellorをモデルにしたマスターコンプレッサーが搭載されています。他の処理とは異なり、これは出力信号全体に作用し、すべてのオーディオチャンネルを「接着」して、ミックスをよりバランスの取れたサウンドにするのに役立ちます。アクセスするには、RØDECaster AppでAudio Mixerに移動し、Master Compellorアイコン(Audio Output Delayアイコンの隣)をクリックします。
注
Master Compellorは、Live Mixを使用するよう設定された出力にのみ適用され、カスタムサブミックスには適用されません。
音声出力遅延
一般的に、カメラ(またはその他の映像機器)では、映像信号にわずかな遅延が生じます。一方、音声機器による遅延は通常、はるかに小さいものです。この差を補正するため、RØDECaster Video Sには音声出力遅延機能が搭載されており、ライブストリームや録画で音声と映像を完全に同期させることができます。
初期設定では遅延が5フレームに設定されており、考えられる幅広いケースに対応できる値になっていますが、RØDECaster Video SではSettings > Audio Delayから、またはRØDECaster AppのAudio Mixerから、この設定を微調整できます。遅延は1ミリ秒単位または1フレーム単位で調整できます。
音声出力遅延の測定方法
お使いの環境に適した遅延量を確認するには、次の手順を一度実行するだけです。
- RØDECaster Video Sとすべての映像機器が同じフレームレートに設定されていることを確認します
- カメラの前で手を叩く様子を短いクリップとして録画し、その際に音声も録音されていることを確認します
- USB ストレージデバイスを取り出してコンピューターに接続し、映像ファイルをDaVinci ResolveやAdobe Premiere Proなど、任意のNLE(ノンリニア編集ソフト)に取り込みます
- NLEで手を叩いた瞬間の映像フレームを見つけ、波形上で音声のスパイクを探します
- タイムライン上で、手を叩いた音声スパイクと映像上の手を叩く瞬間との差を選択して、遅延を測定します(フレームまたはミリ秒単位)
- 測定した数値を音声出力遅延に設定します
注
音声出力の遅延は、ライブストリーミングおよび録音のメインミックスにのみ影響します。ヘッドホン、モニタースピーカー、マルチトラックチャンネルには適用されないため、自分の声を遅延なくモニタリングできます。
シーンオーディオ
シーンオーディオは、入力、シーン、またはメディアボタンに切り替えたときに、任意のオーディオチャンネルを自動的にミュートできる機能です。
- RØDECaster App Scene Builderを開きます
- シーンオーディオを適用する入力、シーン、またはメディアボタンを選択します
- 右側にある「シーンオーディオ」ドロップダウンで、ミュートしたいオーディオチャンネルをオフに切り替えます
注記
Scene Audioによってミュートされたオーディオチャンネルと、従来のミュートによってミュートされたオーディオチャンネルを区別するため、アイコンは赤ではなくアンバーで表示されます。Scene Audioによるミュートは、手動ミュートによって解除されます。